musee

2000

この感想はコンサート日記ではなく、「私のmuseeの聴き方」である。
そしてコンサートでもこの3曲ということになる。
嬉しいのは、「デルタ」がオープニングで使われたことだ。

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まず、今回のアルバムは確かに仕上がりのよいアルバムですね。
とくにSilent Loveに流れていく自然な仕上がりは、過去のアルバムにはない新境地といつた感じです。ただ、全体的に「ああ、橋真梨子だぁ・・・」と感じられるフレーズがなんとなく少ないかのように聴き取れるアルバムとの印象です。

「My Heart NewYork City」や「そして愛は」のヴォーカルは低音から高音へメロディが急に移動し、真梨子さんの声に力の緊張が感じられ、次に力の抜けた中間音に戻るとき、真梨子さんのヴォーカルは、哀愁から安らぎへ、そして過去の苦しみや哀しみから、今を真摯に落ち着いて見つめようとする生の瞬間へ、またある種の安堵感にも包まれていく、こんな変化を感じさせるヴォーカルとなっていると、初めて聴いたときに脳裏に刻まれています。
そのため、museeでは、CDで聴く曲、コンサートで聴く曲と自分なりに色分けしてしまいました。

「蟹のつめ」 「デルタ」 「貴方と」の3曲をプログラムしてリピートしたいのです。

蟹のつめの海岸はどこなんでしょう・・・・・西海岸の遠浅の海、ハワイの海、広島の海、そして君の海。この蟹はどんな蟹なのでしょう・・・・

「デルタ」、月明かりの葉山の浜辺で聴きたいボサノバです。月は神秘的ですね。生への畏敬を感じさる女性的存在です。
「彼と彼女と私の関係、すごく不思議」何度も出てくる恋愛の距離感ですね。この私って・・・・・

そして「貴方と」。
「貴方と」っていったい誰でしょうか?
これは、広瀬まり子さんからみた「橋真梨子」というシンガーであると私はすぐわかりました。恋の歌を超えています。現在完了進行形のアイデンティティの存在を強く感じます。そのようにぜひ聴いてみてください。

すなわち・・・・・
雑誌「FMファン」で、「まりこ」さんは、「私は橋真梨子に関わる一員」といっておられたし、山野楽器での2000/4/9のトークイベントでは、「橋真梨子は橋真梨子の独自の世界を自分で創っていく」とおっしゃっています。


真梨子さんをこよなく愛し、素晴らしい歌の世界をいつまでもと願うわれわれファンに対して二人称的に「あなたと」といっている次元を超えて、多くのファンに愛されている『橋真梨子』という存在に対しての自分への、むしろ内なる一人称的な内への問いかけに思えて仕方ありません。・・・・・・・・・・・・・・(2000/6/11)

このような投稿をした。
今後の真梨子さんの方向性をいろいろと示唆するアルバムであり、コンサートツアーになった。

                               FMfan 2000No.8  発行 共同通信社   


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